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フクロ小説スレ

1 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/09/24(日) 18:19:49 ID:1LNZa/Q2
小説書こうぜ!

132 :◆VV.HtNrxUA :2006/10/11(水) 20:52:56 ID:vh18DeeA
ここmダブゥ

133 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/10/11(水) 23:19:49 ID:5a4Bonuk
乙!
閣下ヒドスww

134 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/10/12(木) 00:08:03 ID:5NcMSUqA
ナイスです><

135 :五日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/14(土) 20:22:20 ID:ryqa16oA
「なんでそんなにハズカシさんが嫌いなんですか?」

やっぱり気になるので聞いてしまった。

「いや、普段から色々と問題行動してるんだよ。」
「脱衣所に侵入したり、部屋に勝手に入って来たり。」
「……ひどいですね。色々と。」

なるほど、それは嫌われるはずだ。

「人の物を漁ったりするからね。評判はあんまりよくない。」
「でも、何故か憎めないんですよね。」
「あー。なんていうか子供っぽいというか純粋というか…」
「嫌いというより面白い変態って感じかな。」
「はぁ……」

それはフォローになっていない気がしたが、
当の本人が気絶しているので問題にしなかった。

136 :五日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/14(土) 20:22:42 ID:ryqa16oA
スイカ割りはsdsさんが締めくくってくれた。
スイカは綺麗に割れ、僕たちはそれを食べた。
勿論ハズカシさんは気絶しているので食べなかったのだが。

「さて、一泳ぎしてくるかな。」

しばらくして閣下さんは服を脱ぎ水着姿になった。
水着が体のラインを強調している。

「みんなはどうする?」
「もうちょっと休んでからにします。」
「んー。私も。」
「僕は本でも読んでるよ。」
「そっか。じゃ、行ってくる。」

閣下さんは海に入り泳ぎだした。
泳ぎの素人の僕が見ても綺麗なフォームだ。
僕はしばらく閣下さんに見とれていた。

137 :五日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/14(土) 20:23:12 ID:ryqa16oA
「私たちも泳ぎにいきましょうか。」
「あ、うん。そうだね。」
「行ってらっしゃい。」

又さんに促され僕たちは海に向かった。
日が沈まりかけていて海が赤く染まりはじめた。

「じゃあ競争でもしようか。」
「はい!」
「負けないぞ。」

三人で海を泳ぐ。
浜の方を見るとsdsさんがこっちを見ていた。

どことなく寂しげな目だった。

138 :五日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/14(土) 20:23:29 ID:ryqa16oA
僕たちは泳ぎ終わり帰りの準備をしていた。


「ううーん……」

その時、ハズカシさんが上体を起こした。

「あ、気がつきましたか?」
「やぁ、nt君。なんだか長い夢を見ていたようだ。」

それも当然だ。もうそろそろ4時になる頃である。
ハズカシさんはよろりと立ち上がった。
まだダメージが残っているようだ。

「顔、大丈夫ですか?」
「うん。多分大丈夫。それより写真は?」
「頭、大丈夫ですか?」
「……ごめんなさい…………」
「分かればいいんです。」

この人は本当に全く懲りない。

139 :五日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/14(土) 20:23:45 ID:ryqa16oA
「じゃ、帰ろうか。」

僕がハズカシさんと話している間に片付けは終わってしまったようだ。

「僕が持ちますよ。」
「いや、いいよ。ハズカシ君に持たせるから。」
「ひどい。」
「もう一発ぶち込もうか?」
「持たせてください。」

閣下さんは男勝りだ。
僕にできないようなことも平気でやってのける。

道路を渡り、坂を登り始める。
僕らの前方には夕焼けによってできた影が長く伸びている。
振り返るとそこには赤く染まった海原と大きく、美しい夕日があった。

その時、僕は自分の非力さをまじまじと感じた。

140 :◆VV.HtNrxUA :2006/10/14(土) 20:24:27 ID:ryqa16oA
これで五日目は終わりです。
伏線が全て解消できるか不安だ。

141 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/10/15(日) 17:31:59 ID:0fFOpWFE
おーGJ!

142 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/16(月) 20:43:47 ID:OSrLY7Zw
7時ちょうどのこと。
僕はけたたましい目覚まし時計の音で目覚めた。

朝にしては心なしか暗く感じた。
窓から外を見ると、大きく育った暗雲が立ちこめていた。

「なんか雨降りそうだな……」

ぼそっと呟きながら布団を畳む。
今日は出かける予定はない。
外に出る必要はないのに、雨が降るだけで不快な気分になる。
雨という名のモノは人を冷たく打つからだろうか。

「卒論でも書くかな……」

食事の時間は7:30からだ。まだ25分ほどある。
少しは卒論を進めることができるだろう。

143 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/16(月) 20:44:03 ID:OSrLY7Zw
僕は机に向かった。
机には昨日と同じままの状態で原稿が置いてあった。

「さて……と。」

鉛筆を持ち書き始める。
だが寝起きの頭で、さらに雨で気が沈んでいる状態で
良い文を書けるわけではない。

「……こりゃだめだな。」

見切りをつけ、僕は台所へ向かった。
管理人さんの手伝いをするためだ。
一人で進まない卒論を書くよりはこっちの方が遙かに有意義というものだ。

144 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/16(月) 20:44:20 ID:OSrLY7Zw
台所へ行くと既にsdsさんが手伝いに来ていた。
みそ汁のおいしそうな匂いがした。

「おはようございます。手伝いに来ました。」
「あ、おはよっ。」
「おはようございます。
 じゃあ、すいませんけど配膳お願いしますね。」

ジャーが二つある。
9人分の食事だ。一つではやはり足りないのだろう。

お椀にご飯を盛り机に並べていく。
単純な仕事なのだが9人分は確かに面倒くさくなる。

「毎日大変ですね。食事の準備。」
「いえ、でも皆さんが手伝ってくれますから助かってます。」
「そうですか。」

大変な仕事なのに管理人さんは前向きだ。
というのも住人の皆の支えがあるからなのだろう。

145 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/16(月) 20:44:39 ID:OSrLY7Zw
「食事の準備ができたからみんなを呼びましょうか。」
「じゃ、僕は二階の人達を呼んできますね。」
「お願いします。」

僕は台所を出て階段を上がる。
気がつくと僕の部屋は開いたままだった。

「開けっ放しにしてたのか……」

ドアを覗くと部屋の中にハズカシさんがいた。
ハズカシさんは僕に気がつくと話しかけてきた。

「あ、nt君!ちょっと用があるんだけど!」
「その前に勝手に人の部屋に入らないで下さいよ……」

この人は色々と無茶苦茶である。

「まぁいいじゃないか。それよりこれを閣下さんに返してくれないか?」

その手にはビニール袋があった。
中には何かが入っている。

146 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/16(月) 20:45:02 ID:OSrLY7Zw
「なんですか?これ。」
「閣下さんの下着だよ。」
「え……」

目が点になった。

「待て待て、早合点するな!
 外に干してあったのが雨に濡れるといけないから取り込んでおいたんだ!」
「……本当ですか?」
「本当だって!何なんだその目は!」

僕はそんな目をしていないつもりだったのだが、
よほど自分でも分かっていたのだろう、
僕の目はかなりの軽蔑の眼差しに見えたのかもしれない。

「で、なんで僕に返させようと?」
「こういうのは僕が返すと……」
「分かりました。もう言わなくてもいいです。」
「そ……そうか。」

ハズカシさんは少し残念そうな顔をした。
自分がどういう人物と思われているかを理解したらしい。

147 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/10/17(火) 16:17:24 ID:ygon1FAM
GJ!
何やってんだハズカシwww

148 :アブ(=゚口゚)さん ◆CSUREPjKx. :2006/10/17(火) 21:26:24 ID:V5Pgf8LU

ntの青年にカッカを売った時、日はまだ東の方にあったが
今の日はもう西の空から自分を照らしている。

「…遅いな。」
頭にバンダナを巻いた中年男…ハズカシは
少し肌に滲んだ汗を拭きながらそう思った。

約束の時間はとうに過ぎている。
元々相手は約束を時間内に守るようなヤツじゃなかったが
客である以上ある程度はワガママも聞かなければならない。
しかし…こんな仕事引き受けるんじゃなかったと後悔した。

「…ふぅ、この子も寝てしまったか。」
ハズカシはダンボールに向かって呟いた。
カッカの入っていたダンボール、しかし空ではなかった。
どうやらntは気が付かなかったがもう一匹入っていたらしい。

その子はカッカとはまた違う、両端に布の付いた軍帽を被り
箱の中で丸くなって小さく寝息を立てていた。
純粋な、ケガレのない顔で寝ているその子の未来を考えると
ハズカシの胸は痛んだ。

(ヤッパリ引キ受ケルンジャナカッタ。)


149 :◆CSUREPjKx. :2006/10/17(火) 21:27:00 ID:V5Pgf8LU

ハズカシがぼーっと前を見ていると、向こうから人影が
こちらに向かって来るのが見えた。
「…来たか。」
ハズカシはそう呟くと目を険しくし、相手が来るのに臨んだ。

その男は左の耳に「2o」という形のイアリングを付けていた。
男の瞳は濁った青色をしていて口元には小さな笑みを浮かべている。
その顔は整った顔でありながらどことなく狂気に満ちており、
ダンボールの中で寝ている子のそれとは全く正反対だった。

「よ、ハズカシ待たせたな。」
男はハズカシの前に立ち見下しながら口を開いた。
あまりに普通の口調に返って笑みが不気味だ。
「例の"モノ"は用意出来たんだろうな?」
続けて男は言った。モノ…という言葉にハズカシの眉間が少し動いた。

「…ああ、用意したぜ2o。ダンボールの中を見てみろ。」
ntと話したときとは違う。あまりに低いトーンでハズカシは喋った。
2oはそれを聞くとゆっくりとダンボールの方に身体を向けた。
落ち着いている…というよりははやる気を抑えてといった感じだ。


150 :◆CSUREPjKx. :2006/10/17(火) 21:27:18 ID:V5Pgf8LU

箱の中で寝ている子を見つけた2oの濁った目は、一瞬だけ光を取り戻したように見えた。
その光はあまりに邪なものだったが。

箱の中のその子は2oの存在に全く気付かず、未だに目を閉じ眠っていた。
2oは自身の高鳴る感情に堪えきれずククッと声を漏らした。

「…子供のsds、それも未調教のもの。これでいいんだよな?」
ハズカシは2oの方を向かず、あさっての方向を向きながら言った。
「ああ、間違いないぜ。お前に任せたから不安だったが、なかなかの上玉じゃねえか。」
「ふん、そいつは良かったな。だったら早くオーダー料含めて一万五千。払って貰おうか。」
話なんざしたくない、といった様子でハズカシは早口で言った。

2oはハズカシの方を向き直すと懐から二枚のお札を出して言った。
「ほらよ一万五千円だ。受け取りな。」
ハズカシはチラリとだけ2oの方を見て何も言わずお札を受け取った。

「しっかし、あれだな。」
2oはそこで一旦切り、続けて言った。
「普段←みたいな性具ペットを売ってるお前が
 俺に対しちゃやけに冷たいじゃないか。商売に差別はいけないぜ?」
2oの笑みには軽く嘲笑の意が含まれていた。


151 :アブ(=゚口゚)さん ◆CSUREPjKx. :2006/10/17(火) 21:28:35 ID:V5Pgf8LU

「…お前にsdsを預けるのが心配なんだよ。昔っからお前は女を物としか扱ってなかった。
 いくらお前がイケメンでモテたからってな。率直に言えばお前が嫌いなんだよ。ただの私怨さ。」
2oの方を振り向いたハズカシの口調は明らかに興奮し、その口から様々な言葉が飛び出した。
その言葉は段々短くなり、そしてハズカシの真意に近づいていった。

「ふん…、やっぱただの童貞の僻みか。
 だったら最初から売らなきゃ良かったんじゃねーの?」
「だから今後悔してるんだよ!ああもう、何処かへ行ってくれ!」
それ以上言い返せなくなったハズカシは半ば逆ギレしたように答えた。

「はいはい。じゃーな。」
2oはそう言うと箱の中からsdsを抱き上げた。
sdsは余程よく眠っているのか全く起きそうにない。

…しばらくハズカシは唇をぐっと噛み締め2oの去っていく様を見守っていたが
ふいに"おい"と2oに声をかけた。

「何だ?童貞。」
2oは振り返り答えた。
「…2o。その子は生き物だ。モノじゃない。時間が経てば腹も減るし眠くもなる。
 まだ子供だから遊びたい盛りでもある。それを分かってやってくれ。」

「"遊びたい盛り"…か。ケケケ分かったぜ。」
ハズカシの必死の言葉も2oには歪んで聞こえてしまった。
2oの目の中は汚れた感情で渦巻いていた。


152 :アブ(=゚口゚)さん ◆CSUREPjKx. :2006/10/17(火) 21:29:16 ID:V5Pgf8LU













暗い…ここ何処だろう。お兄ちゃん誰?
ハズカシのおじさんは?

「俺は2o。君の、sdsちゃんの飼い主だよ。それでここは俺の地下室ってわけ。」

へー、!ってことはアナタが飼い主さん!? よろしく!

「…ああ、よろしく。」

…ところで、お兄ちゃん何持ってるの?
もしかしてそれって首輪?そんなものどうするの?

「どうするって、この首輪は君につけるんだよ。
 飼い犬に首輪を付けるのは当然だろ?」


…えっ?







153 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/10/17(火) 21:36:00 ID:HCdEFbh+
これからってのに終わるなんてひどい><

154 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/18(水) 20:14:31 ID:jYuuDA7w
「じゃあ返して来ますんで。あと朝御飯ですよ。」
「よろしくねー。」

ハズカシさんはようやく部屋を出て行き、階段を下っていった。

「さて……返さなきゃな……」

いくら頼まれたからと言って、
女性に下着を返すという行為はあまり気持ちの良い物ではない。
どう話そうか考えながら閣下さんの部屋へと向かう。

ノックをする。
返事はすぐに返ってきた。

「ntです。あの……洗濯物が……」
「あっ……しまった!忘れてた!!」

155 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/18(水) 20:14:49 ID:jYuuDA7w
どうやら洗濯物のことは忘れていたようだ。
これで多少は話がしやすくなるかもしれない。

「で、ハズカシさんが取り込んでくれたそうです。」
「……そうか。」

途端に嫌そうな顔になった。
それでも一応受け取ってはくれた。

「あ、あと朝御飯ですよ。」
「分かった。←君は私が伝えておくよ。
 彼とは話しにくいだろ?」
「じゃあお願いしますね。」

閣下さんは笑いながら話した。
しかしどことなく寂しげな笑いに思えた。

156 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/18(水) 20:14:58 ID:jYuuDA7w
僕は台所へと戻った。
そこには閣下さんと←さんを除く全員が揃っていた。

「呼んできましたよ。」
「ありがとう。じゃ食べましょうか。」

僕たちは食事を始めた。
その時に閣下さんが台所へ来た。
←さんの姿はない。

「←君は後でいいってさ。」
「そうですか……」
「皆で食べればいいのにねぇ……」
「きっと彼には彼の事情があるんだよ。
 あまり言ってやるな。」

兄貴さんは一番の年上であるせいか言葉には説得力がある。
僕が←さんの立場だったらきっとそう願っただろう。


157 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/18(水) 20:15:07 ID:jYuuDA7w
食事はいつものように終わった。
ただ違ったのは終わった後、
ハズカシさんが閣下さんに問いつめられていたことだ。

あまり関わりたくないので僕は部屋に直行しようとした。
その時、ミコネコさんが話しかけてきた。

「nt君、ちょっといいかな?」
「あ、はい。」
「じゃあちょっと私の部屋に来てください。」

僕はミコネコさんに案内されるまま彼の部屋に向かった。

158 :◆VV.HtNrxUA :2006/10/18(水) 20:15:27 ID:jYuuDA7w
こkダブゥ

159 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/10/18(水) 21:47:11 ID:BP/BKrY+
続きが気になるダブゥ

160 :◆VV.HtNrxUA :2006/10/21(土) 20:40:50 ID:dbl8Ffgk
「さてと……どうぞお座り下さい。」
「はぁ。」

何やら重々しい話し方だ。
何を話すのやらと不安になった。

「近々祭りがあるんです。ホマチ神社の。」
「あぁ、祭りですか。」

祭りのことと聞いて安心した。
別にこれといった深刻な話ではないだろう。

「そうです。その祭りのことなんですが……」
「はい。」

ミコネコさんの言葉が詰まった。

161 :◆VV.HtNrxUA :2006/10/21(土) 20:41:02 ID:dbl8Ffgk
「……生け贄って知ってますよね?
 それがあるらしいんですよ。」
「……え?」

突飛な発言に呆然とした。
生け贄だって?そんなものがこの現代にあるはずがない。

「冗談ですよね?」
「冗談だと良かったんですがね……」

ミコネコさんは深いため息をついた。
そして話を続けた。

「調べたところによると毎年男女一人ずつが居なくなってるんですよ。」
「…………」
「それも大概はこの村以外の人がね。」
「……信じられません…………」

162 :◆VV.HtNrxUA :2006/10/21(土) 20:41:13 ID:dbl8Ffgk
心からの感想だった。
こんな親切な人が多いこの村でそんな事が起こるなんて思えないからだ。

「でしょうね……私も信じられませんでした。
 この村の人口推移を調べたんですよ。
 そしたら死亡者数と人口の減少数が合わない時があるんです。」
「……それが村内から出た犠牲者だと?」
「そうみたいです。
 それ以外は観光客が亡くなっているみたいなんです。」

観光客。つまりこの村に一時的に訪れた人だ。
その人が亡くなるということは……

「…………」
「真っ先に狙われるのは私たちでしょう。
 祭りの日が近づいています。気を付けて下さい。」
「……この事は警察に報告しないんですか?」

163 :◆VV.HtNrxUA :2006/10/21(土) 20:41:26 ID:dbl8Ffgk
「できたらいいんですがね……証拠が不足しています。
 それにもし村の誰かに感づかれたら……」
「そんな……」
「私の考えは推測にしか過ぎません。
 ですが祭りの日に人が消えるというのは事実なんです。」

雷鳴が鳴った。
外はいつの間にか暗雲が立ちこめていた。

「この事は他言しないようにして下さい。
 話したらあなたも危険が及びます。」
「……」
「私はきっと村人に目を付けられているでしょう。
 あまりにも神社に近づきすぎました。」

ミコネコさんは自嘲気味に笑った。
目の前にあるかもしれない死を受け入れる準備はあるようだ。

「私がもし死んだらその後はよろしくお願いしますね。」
「死んだら困りますよ。
 僕はミコネコさんみたいには行動できないんですから。」

僕もミコネコさんに合わせ笑う。
心は恐怖でいっぱいだ。
でもこうでもしないと恐怖に押しつぶされそうだったのだ。

164 :◆VV.HtNrxUA :2006/10/21(土) 20:41:38 ID:dbl8Ffgk
kダブゥ

165 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/10/21(土) 22:14:58 ID:uKiw6DGM
なんだかひぐr(ry

166 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/10/22(日) 16:25:35 ID:SaATd60Q
わかったぞ、生贄ってのはホマチ神が封印したと言う
一つ目の化け物に捧げるんだな、きっとそうだ

167 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/23(月) 20:28:40 ID:lZIahkAs
ミコネコさんは表情を戻しこう言った。

「……とにかく身の安全には気を付けるべきです。」
「…分かりました。」
「では、お気をつけて。話はこれだけです。」
「…どうも。」

ミコネコさんの部屋を出た。
廊下の小窓から見える景色は相変わらず暗雲が立ちこめている。

僕は何も言わずに部屋へと向かった。

さっきの話は本当なのだろうか。
本当だとしたら僕は殺されてしまうのだろうか。
このまま皆に黙ったままでいいのか。

――そんな事を考えながら。

168 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/23(月) 20:28:57 ID:lZIahkAs
僕は部屋へ入りドアを閉じた。

畳んだ布団にもたれながら座る。

「生け贄……か……」

天井を見ながら呟いた。
取り留めもない思考が脳内を行ったり来たりしている。
考え出したらきりがない。

何故、誰が、何のために、どのように――
考えても分からない。そんなことは分かっていた。
だがどうしても考えは止まることを知らなかった。

169 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/23(月) 20:29:16 ID:lZIahkAs
「……普通はそんなことないよな……」

僕は生け贄なんてないと思い始めることにした。
だってそうだろう。この現代に生け贄なんてあるはずがない。

「ミコネコさんのはきっと冗談に決まっている。
 神社でも冗談を言っていたじゃないか。」

僕はそう小さく言い放ち立ち上がった。

「……無いに……決まっているさ。」

そう思いこめば恐怖は見えなくなる。
だが恐怖は消えたわけじゃない。存在し続けた。

170 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/23(月) 20:29:48 ID:lZIahkAs
僕は机に向かい卒論を書き始めた。

普段は書くのも面倒くさいと感じていたが今回ばかりは違った。
恐怖からの逃避には作業に集中するのがよい。
ミコネコさんの話が気にかかり進行は遅いがそれでも良かった。
とにかくこの場は恐怖を忘れたい。その一心だった。

「無いに決まってるさ…!」

時々そのような事を口走る。
それでも恐怖は僕の心から消え去ってくれなかった。

171 :◆VV.HtNrxUA :2006/10/23(月) 20:30:11 ID:lZIahkAs
ダブゥ

172 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/10/23(月) 20:31:34 ID:FCRbcCeg
オチュオチュ

173 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/10/24(火) 13:21:16 ID:ivHiLBQE
しけてやがんなぁ、nt!
「あるわけが無い」と常識で考えるより、「あるのかも」と期待するほうが面白いんだよ! 楽しいんだよ!
面白いほうを、楽しいほうを、夢のような話を選ぶのが正しいんだ! 例えそれが恐怖でも!
イッツァハルヒイズム。

174 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/28(土) 21:31:35 ID:???
卒論に没頭して数時間たった。
相変わらず空模様は悪い。そしてまた、恐怖は消えなかった。

「ふぅ……」

一通り書き終えた僕はシャープペンを手放し、
そのまま仰向けに寝そべった。
外は雨の音が絶えることなく続いている。
その音はずっと続くかのようにも思えた。

「……寝よ……」

何も考えずに済むのには寝るのが一番良い。
嫌な事でもその間はしばらく忘れられるのだ。

175 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/28(土) 21:31:52 ID:???
布団を敷き直し布団の中に潜り込んだ。

昔から布団の中は安全と言われている。
実際には、地震などには殆ど太刀打ちできないのだが、
何も見えなくするというのは一つの安心する方法なのだそうだ。

眠れない。
何故かその時は布団が重く感じ、さらに息苦しく感じた。
あまりにも恐怖が僕の心に根付いていたのだ。

それでも僕は目を瞑り、寝ようと試みた。
雨の音、時折聞こえる雷の音、荒れる海の音、そして不安。
寝られない要素はたくさんあったが僕は寝ることが出来た。

176 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/28(土) 21:32:11 ID:???

嫌な夢が僕の目を覚まさせた。
今となっては思い出せないが相当恐ろしい夢だったと思う。
妙な汗が大量に出ていた。

「………夢……か…」

夢で良かった。
夢でなかったらいったいどうできようというのだ。
自分が生け贄となって殺されそうになっても助かる術はない。

その時ノックの音がした。
僕は突然の音に驚いた。

「うぁっ!……あ…どうぞ…!」

ドアが開かれた。
音の主はsdsさんだった。

177 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/10/28(土) 21:32:29 ID:???
「あっ、ごめん。寝てたのかい?」
「いえ、さっき目を覚ましたところです。」

良かった。
一人で居るとどうしても不安になる。
誰とでもいいから会話すれば多少は気を紛らわせることができる。

「今、又ちゃんのトコでトランプとかやってるんだけど来ない?」
「あ、是非。ちょうど暇だったんで。」

タイミングのいいことにみんなで騒ぐことができる。
これならばきっとあの恐怖も忘れられるだろう。

178 :◆VV.HtNrxUA :2006/10/28(土) 21:32:57 ID:???
ここまで

179 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/10/28(土) 23:23:15 ID:???


180 :真夜中は別の人『フクロの記憶』 ◆ackVh57YJ. :2006/10/30(月) 05:59:33 ID:???

誰かが、言った。

『嘘の含まれない歴史など、退屈なものだ』

『歴史』は変えられないものだと人は言う。
だが、そもそもその『歴史』とやらが最初から『変えられた』ものであるのならば―

また別の誰かは語る。
『歴史とは勝者のために作られる』
彼らの作る歴史は虚飾に満ちている。
恣意的解釈、作為、欺瞞、悪意、そして嘘。
そして、弱者や敗者は彼らに対抗し、いつか取って代わるために
別の歴史を紡ぐ。自分達の敵と、ヽ手段で。

よろしい。歴史とはまさに『それ』だ。
では、『これ』は何か?
嘘もなく、悪意もなく、恣意もなく、体系もなく、時系もなく、善意もなく、
欺瞞もなく、偽善もなく、鼓舞もなく、告発もなく、
時には、真実ですらない。
    ・ ・ ・
私が、私たちが、かつて体験した、はるか昔の出来事。

これから、私が語ろうとしているものは果たして何であるのか―?

最悪板の、蟻板の、あるいはAA板の、
 
       過 去 ロ グ
遠い昔の“ 記 憶 ”―

181 :真夜中は別の人『フクロの記憶』 ◆ackVh57YJ. :2006/10/30(月) 06:10:20 ID:???

【ダブ殺害未遂事件(Roo事件)】
―最後にダブフサに会った夜、彼は非常に落ち着かない様子だった。
 この時の彼の表情を、私は今でもはっきりと思い出す。
 私はいささか気の毒な思いを禁じえなかった。
 今思えば、彼のやつれた顔を見て単純に「精神的、肉体的な疲労」から
 きているものだろうと考えたのは間違いだったのだろう。
 私は、何故、彼があんなに虚ろな眼をしていたか、
 なぜあのような(ダブゥ…ダブゥ・・・といった)意味不明な単語を何度も繰り返し口走っていたかについて、
 もっと深く考えるべきだったのだろ う― 

                   ――2007年に発見された当時の茶屋の手記より


03末期から04ごろにかけて、「次期フクロの旗手」であるラギは
周囲の多大なる期待に今一歩答えられず、伸び悩んでいた。

そこで、かねてからハズカシの影響下にあったラギを嫌っていた
一部stらの間で新たな「継承者」を擁立しようと画策する動きがあり、
小規模な内部抗争の後、04初期には、ほぼダブで一本化された。
しかし、ダブは実力はラギと劣らぬものがあったものの、
精神的に不安定で一般層のstたちの支持を得られなかった。

それを見たラギ擁立派はダブがその潜在能力を開花させぬうちに、
刺客を送り、彼を葬り去ることに決めた。その刺客こそがRoo―
後の芋虫である。

ダブ派でも早期にこの動きを察知していた向きがあったが、
04年3月の雑談スレでの失態から、既に取り巻きの一派には彼に対する
諦めからどこか見放していた節があったことも否めない。
皮肉にも、彼の能力を買っていたのはライバルであるラギ派のほうだった。

結果ダブは重傷を負ったものの、死ぬまでにはいたらなかった。
が、信頼を寄せていたRooの裏切りによる精神的ショックは大きく、
これ以降あまり歴史の裏舞台には顔を出さなくなってしまうことになる。
理由は突如として難病を患い、身体に障害を負ったためとも、
単純に世の中に嫌気がさして沖縄に隠遁したためとも言われる。
(巷では無性生殖して「ダブゥ」というマスコットキャラになったという
 荒唐無稽な噂が流れたが、これには当局がいち早く反応し、ダブ本人の署名付きで
 「ダブとダブゥは無関係」という声明を発表している。
 ただ、この件でダブ本人は一切公に姿を現していない)
 
一方、任務を成功させた当時無名のRooは、次第にフクロ内部での発言権を強め
後に独立。いわゆるラジオ党の領袖として歴史に名を刻むまでにいたる。

この事件で不穏分子の排除に成功したフクロ主流派は
束の間を平穏をフクロスレにもたらすが・・・

182 :真夜中は別の人 ◆ackVh57YJ. :2006/10/30(月) 06:12:16 ID:???
今日はここまでんこ

183 :ダッブゥ!:2006/10/30(月) 07:22:21 ID:???
ダッブゥ!

184 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/10/30(月) 12:20:16 ID:???
新規書き手キタワァ*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:* ミ ☆

185 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/11/02(木) 20:14:40 ID:???

「ストレートッ!」
「えー! 勝てると思ったのにー」

sdsさんと共に又さんの部屋に来ると
そこには又さん、管理人さん、閣下さんがいた。
どうやら閣下さんはこういうゲームが得意なようだ。

「連れてきたよ」
「おっ。来たか」
「どうも」
「じゃ、早速やろうか」

僕らは机を囲みトランプを始めた。
あの話を忘れることが出来そうだ。

186 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/11/02(木) 20:14:57 ID:???

「8で止めてるの誰だよー」
「じゃあ、そろそろ出そうかな」
「な! さっきパスしていた癖に!」
「勝負の世界は厳しいのだ。」

皆で騒ぎながら七並べをする。
8と6の辺りで何カ所か止まっている。
かく言う僕も実は6で止めていたのだが。

「じゃあ、僕も出しますね」
「あんたもか!」

しかしこの後管理人さんに5で止められてしまった。

「よし、そろそろ5を出そうかなー♪」
「管理人さん……」

187 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/11/02(木) 20:15:24 ID:???

その後も大富豪、ポーカー、ブラックジャックなどをやった。
そして一段落したところで又さんが話しかけてきた。

「ところでさっきntさんはミコネコさんと何を話していたんですか?」

その途端、あの恐怖がまたこみ上げてきた。
しかし今ここであの話を正直に話すべきなのだろうか。
とっさの判断に僕は虚を突かれた。

「あ……あぁ。祭りの事について教えてくれたんだよ。
 僕がホマチ神社の事を知らないからだろうからって」
「へぇー。そうなんですかー」

……なんとか場を繋げることはできたようだ。
しかしここで本当の事を言っておいた方が良かったのかも知れない。


188 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/11/02(木) 20:16:00 ID:???
「あ、もうそろそろご飯作らなきゃいけませんね
 じゃ、私はこれで……」

管理人さんはそう言って立ち上がった。

「じゃ、手伝いますよ」
「それじゃあ、私も手伝おうかな」
「いつもすいません。じゃ、作ってきますね」

そう言って三人は部屋から出て行った。
部屋に残ったのは僕と又さんだけだった。

「二人だけになっちゃったねー」
「そうですね……二人じゃトランプしてもなんだしなぁ……」
「あっ…………それより…………」
「? なんですか?」
「……ミコネコさんからあの話聞きましたか?」


189 :◆VV.HtNrxUA :2006/11/02(木) 20:16:41 ID:???
ここまで

190 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/11/02(木) 20:18:49 ID:???
(*゙∀゙) ダッブー!

191 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/11/03(金) 04:53:39 ID:???
ウワーイ
続きキタ!ダブぅ!

192 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/11/07(火) 19:31:17 ID:???
「え……」

返答に詰まった。
ミコネコさんは又さんにも話したのだろうか。
それとも又さんも村の一員として僕の動きを探っているのだろうか。

「……あの話って……?」

とりあえずこちらからも聞くことで相手の出方を探ることにした。

「その………………生け贄……のことです…………」

生け贄という言葉を知っている。
つまり、それを知っているということはミコネコさんとの接触があった、
もしくは村の一員だからということだ。

「生け贄…………ですか……?」

また、僕は質問で相手の出方を探ることにした。

193 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/11/07(火) 19:31:33 ID:???
「……えっと…………ミコネコさんが教えてくれたんですが……」

又さんは続いて僕がミコネコさんから聞いた内容と同じことを話した。

「……という訳なんです」
「……そうですか……」

僕はしばらく間を作った。
返答を考えるためだ。
本当にミコネコさんの話を聞いたのか、あるいは…………

そして僕は又さんを信用することにした。

「……はい。その話なら僕も聞きました」
「良かった……仲間がいて安心しました」

194 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/11/07(火) 19:31:50 ID:???
「私も、ミコネコさんよりは少し前ですが、
 このフクロ荘に来たばっかりなんです」
「そうだったんですか。すいません。少し疑ってしまいました」
「それは仕方がないですよ。命に関わることなんですから……」

依然として雨は降り続けている。
その時廊下の方で音がした。

まずい。だれかに聞かれたのかもしれない。
僕はドアに向かって急いだ。

ドアを開けるとそこにはハズカシさんがいた。

「ハズカシさん……?」

195 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/11/07(火) 19:32:07 ID:???
「や…………やぁ、nt君……」

多少動揺しているようだ。
何か聞かれたのかも知れない。

「……なんですか?」
「いや、男女二人が一つの部屋でずっといるのは不自然に思ってね
 もしかしてセッk」

バゴッ

又さんのパンチが炸裂した。一撃KOである。

「な……何を言ってるんですか!!!」
「ぐは…………」
「あ……じゃあ僕は帰りますね…………
 明らかに迷惑になってるんで……」
「……すいません…………」
「いやいや、悪いのは又さんじゃないですから……」

悪いのは当然この廊下でへたばっている人である。

196 :◆VV.HtNrxUA :2006/11/07(火) 19:32:34 ID:???
ダブダブ

197 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/11/07(火) 19:44:51 ID:???
ダブーッ

198 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/11/07(火) 20:16:09 ID:???
なんですかこのひぐらしは

199 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/11/07(火) 22:10:16 ID:???
寂れた漁村…生贄…
こ、これはまさか…!
…はっ!


…私に何かあった時のためにこの手記を残そう
願わくばこの手記を読んだものが死の恐怖に苛まれんことを…

200 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/11/07(火) 23:28:04 ID:???
実はこの村、ターゲット以外全員が仕掛け人。
そうとは知らずこのターゲット、びびりまくりである。

201 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/11/08(水) 07:17:11 ID:???
続きキタわー!
ダブッダブッ
長編描きは小説書いてる奴けっこういるのか?

202 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/11/15(水) 17:58:59 ID:???
足早に部屋に戻った。
とにかく人と会うのをできるだけ避けたいと思ったからだ。

そしてさっきの事を反芻してみた。
ハズカシさんはドアの前にいた。
あの話を聞いていなかったという保証はない。

もしハズカシさんが話を聞いていたのならば――
僕は一体どうなってしまうのだろう。

ハズカシさんは僕の味方になってくれるのか、それとも――

「ご飯ですよー」

突然の呼びかけに僕はビクッとなってしまった。
思考は中断されてしまったが、
考え続けたとしても良い結果は出なかっただろう。

203 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/11/15(水) 17:59:12 ID:???
「はーい」

とりあえず返事をし、台所へと向かうことにした。
誰かに何か言われないかと不安でいっぱいだった。

「いただきます」

昼食はいつものように始まった。
特に普段と変わったところはない。
僕の気にしすぎだったのだろうか――

結局あの話に関することは一つも出なかった。
どうやら僕の気にしすぎだったようだ。
おかげで少し安心した。

204 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/11/15(水) 17:59:20 ID:???
昼食を終え部屋に戻った。
やっぱり生け贄なんてないんだ。
そう思えると大分気が楽になった。

「これで気兼ねなく過ごせるぞ」

空もいつの間にか雨が止み、青空が雲の合間から伺えた。
気分も晴れやかになり、心が晴れ晴れとする。

机に向かい卒論に取り組む。
心に余計なモノがないために捗った。


その時、ドアの向こうから声がした。

「nt君。いるかい?」

205 :◆VV.HtNrxUA :2006/11/15(水) 18:00:13 ID:???
どうやら倦怠期に入ってしまったみたいだ('A`)

206 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/11/15(水) 19:32:30 ID:???
倦怠期にはちょっと新しいことを試してみよう!
彼女が嫌がらなければソフトSMなんかいいかも!

207 :◆VV.HtNrxUA :2006/11/15(水) 19:44:39 ID:???
彼女なんてイネーヨ

208 :◆VV.HtNrxUA :2006/11/15(水) 19:47:54 ID:???
それよか最近忙しいから困る。

209 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/11/16(木) 19:13:29 ID:???
時間が出来て、書きたくなったらドカーンとやればいいべ

210 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/12/07(木) 18:38:20 ID:tm4mQNoU
この声はハズカシさんの声だ。
──やはり聞かれていたのだろうか。

「あ、はい……」

ドアが開く、そしてハズカシさんは部屋に入ってきた。

「さて……」

ハスカシさんは間をおいた。
何を話すつもりなのか気が気でなかった。

「nt君達はもう知っているみたいだね?」
「……はい?」

まだハズカシさんが信用できると決まった訳じゃない。
僕はとりあえずはぐらかすことにした。

211 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/12/07(木) 18:38:30 ID:tm4mQNoU
「大丈夫だよ。別に襲ったりなんかしない。むしろ逆さ」
「……逆?」

この人がどこまで知っているのか分からなかった。
とにかくあまり自分から情報は出さないことにした。

「今は詳しくは言えないかな。
 ただ、あんまり深入りしない方が良い。
 絶対に村の人にはこの事を聞かれちゃだめだ。いいかい?」
「は……はぁ……」

……何なんだ?
この人は一体この村の何を知っていると言うんだろうか?

「ハズカシさんは……一体何を知っているんですか?」
「それを言ったらこっちの身も危ないんだよ。
 君も知っているんだろ?」

212 :八日目 ◆VV.HtNrxUA :2006/12/07(木) 18:38:37 ID:tm4mQNoU
明らかにいつものハズカシさんじゃない。
いつものハズカシさんはもっとこう……
いや……今は別に重大な問題ではない。問題ではあるが……

「…………」
「十分に気を付けてくれ。君は少し知りすぎているかもしれない」

沈黙が続いた。

「……さてと、話はこれだけだ。本当に気を付けてくれ」
「……」

僕は黙ったまま頷いた。

「それじゃ。」

ドアが締められた。
空の晴れやかさとは対照に心の中は曇りきった。

213 :◆VV.HtNrxUA :2006/12/07(木) 18:39:03 ID:tm4mQNoU
受験生が何をやっているんだとのこと。
これは大変だ。

214 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2006/12/07(木) 19:05:37 ID:LdMTGAZU
オッツー
こんなのハズカシじゃない!

215 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2007/02/13(火) 22:04:30 ID:RI23jyko
続きマダー?

216 :ぷろろーぐ:2007/03/16(金) 21:25:17 ID:5wrAKzaM
「ついに完成したシポー!!」
 薄汚い赤いレンガで出来た家から、歓喜の声が上がる。

 この家の住人の名前はしぽぽ。
 そして、この住人のペットは彼についてこう言っている。

 一言で言うと変態。
 二言目には宿主。
 三言目には腹黒は僕が乗っ取ってる部分だよ!

 ちなみにこのペットの座右の銘は『黒幕』。

 さて、そんな腹黒様は置いておいて、しぽぽのいる部屋へと場面を移す。
 しぽぽの部屋は薄暗く、所々コゲ跡がある。
 大きな机が中央にあり、本や試験管などのいかにもってくらい怪しい研究室の雰囲気が漂っている。
 使われてないのか、机の端の方にある、乱雑に積み重ねられた本は埃まみれである。

 当のしぽぽはというと、机に置かれた電球を前に唇の端を歪ませ笑っていた。

「これでッ! しぽぽはッ! 世界征服が出来るッ!!」


=しぽぽの野望=
〜 エターナルフォースブリザードの名の下に… 〜

217 :ぷろろーぐ:2007/03/16(金) 21:26:14 ID:5wrAKzaM

 久々に外に出てみようと、研究室を後にする。
 まあ、研究室と言うには少し稚拙だが、お金がなにのだ、仕方ない。

 研究室を出るとまず、洗面所に行く。
 蛇口を回すと、水が勢いよく流れ出た。
 それを手で掬い、顔を洗う。
 あまりの冷たさに毛が逆立つが、同時に先ほどまで興奮していた気持ちが冷静になる。

 次に白衣と下に着ているシャツを脱ぎ、横に置いてある籠に入れる。
 そのまま、歯ブラシを手に持ち、歯を磨く。
 歯を綺麗にするコツは細かく左右に優しく擦ることだ。
 そして、横に綺麗たたまれている洋服から、茶色のTシャツと黒いシャツを手に取り、着込んだ。

 軽いご飯代わりに台所から、リンゴを一つ手に取ると、そのまま、玄関へと足を運ぶ。
 ここで、とあることを思い出し、「あっ」と口に出す。
 私はあわてて、研究室へと足を運ぶ。

 研究室に戻るついでに、窓を開ける。
 別に研究室を隠してる訳じゃないんだから、場所は地下じゃなく、一階だ。
 気持ちいい風が頬を撫で、毛をなびかせた。

 そして、机の上に置かれた電球を手にする。
 電球には棒が付けられており、棒には赤、青、様々な色のボタンが取り付けられている。

 それを手に取り、近くにあった茶色い鞄に詰め込むと、再び玄関へと戻る。

 家の外へと通じる、扉のノブに手をかけ……

「あいたッ!」
 指とドアノブの間に静電気が走った。
 思わず手を引いてしまった。
 寒い時には重宝するが、毛がありすぎるのも困った物だ。

 再び、ドアノブに手を伸ばす。
 そして、回す。……回らない。
 気付くと視界が小刻みに揺れているのが分かった。
 地震?かと、思ったら違うようだ。
 ふるえているのは俺の足。
 ドアノブが回らないのは手に力が入ってないため。

 そうか、私は研究に没頭するがあまり、
 知らず知らずの内に引きこもってる時間が長くなり、恐怖症になっていたのか。



 ……人と会うのが怖いです。ミコネコ先生。

 〜続く〜

218 :童貞連血風録:2007/04/01(日) 22:41:37 ID:glOsvjJs
【プロローグ】

  時は幕末のようなそんな感じの時代。

 当時、AA地方において爆発的に増加した厨房・荒らしは、
 混乱をしずめるために規制を強化する2本国運営側に反発。
 長辺藩、茂名藩、砂龍藩、亜炉絵藩、丹打藩のいわゆるAA5藩で同時多発的な一揆を決行。
 後に「AAの変」と呼ばれたこの反乱は時の茂名藩藩主、サ骨によって直ちに鎮圧されたものの
 この時の残党勢力が「ヤリチソ党」を結成。既存の支配体制からの脱却を旗印に、
 2本各地で同士を募り、テロによる破壊活動を開始した。

 これを憂う2本国主ひろゆきはサ骨に命じ、対ヤリチソ党討伐組織を結成。
 特にヤリチソが勢力を持っていたtmp地方に派遣し、蟻藩袋町に屯所を定めた。

 自由を謳うヤリチソ党に対し、彼らは清廉・厳格を旨とする「童貞連」を名乗った。

 
 2本最後にして最強の剣客集団、【童貞連】の誕生である―

219 :童貞連血風録:2007/04/01(日) 22:46:47 ID:glOsvjJs
童貞連組織図概要

 局長   ― 矢野 犀五郎
 総長   ― 恥樫 蔵部(貞長)
 副長   ― 波久礼 神子二郎

 参謀   ― 尾野 志保太夫

会計監査方 ― 辺母良堂

諸士観察兼取締― 影薄(四ツ瀬)揶揄与左衛門
         本洲 義一

一番隊―【隊長】虎木 天馬
    【助勤】庵田 獅子丸
        騨武 真由

二番隊―【隊長】五場 久
    【助勤】辺戸 雷夫

三番隊―【隊長】尾藤 唄ノ介
    【助勤】丑子 小次郎
        馬風 兵馬

四番隊―【隊長】塗留 健二
    【助勤】及火 武留馬
        井母 武士 
        色部 伊織
        弓場 玉子朗
        檀名 顔蔵

五番隊―【隊長】天長 存弥
    【助勤】夜暮 一人
     

局長付御側衆・「英々友」
  【機関長】−江口 武将

220 :童貞連血風録:2007/04/01(日) 22:48:01 ID:glOsvjJs
【塗留殺し】




  塗留が死んだ。
  殺された。



 その報を受けた時、童貞連二番隊隊長である尾藤 唄ノ介は丁度春季休暇で田舎にいたものだから、実家のあるAA藩から蟻藩にある屯所に着いた28日早朝にはもう塗留の通夜は終わっていた。

 その場で、緊急の幹部会議に出席するよう告げられ、急ぎ旅の息のつく間もなく会議の行われる奥の間の方へと向かった。この広い座敷部屋には既にほとんどの面子が揃っていたが、肝心の局長―矢野 犀五郎の顔だけがまだなかった。いつものことだ。もっとも、毎度会議において彼が通常成すことといえば始めの議題確認と、最後の決定事項の確認くらいのもので、会議の最中は特に何も意見するわけでもなく、ただ上座に座り、終始皆の議論に耳を傾けているだけなので矢野などいなくとも実際の会議に差し障りはないのであるが、この場でそのことを口にするものなど一人もいない。

「尾藤君、せっかくの休暇に急に呼び出ししてすまなかったラギね」
 奥の間へと入ったヌルに最初に話かけてきたのは虎木一番隊隊長だった。童貞連でも古株の一人で、尾藤も平隊士だった時分から随分と世話になっている。塗留が死んで他の皆が一様に沈んでいる中、この人だけはあっけらかんとしている。

 もしかしたら、虎木が殺したのかもしれないな、という考えが尾藤の脳裏をかすめ、即座に打ち消された。
 このような大事が行われるのであれば、彼に事前に知らせるまではないにしても、それとなく休暇を返上するように達せられるはずである。
 
 「粛清屋」虎木の子飼いである尾藤なら、なおさらのことだ。

 ということは、塗留の今回の死は童貞連にとって全くの想定外ということになる。
「こんなことになった以上は是非もないですよ
 何せ隊長級の幹部が亡くなったんですからね」
「兄貴以来、ラギか」
 ぽつりと呟くラギの人懐っこい笑顔にもう一つ全く別種の冷たいものが浮かぶ。
 他の者にはそれがほとんど判別できなかったであろうが、尾藤には解った。

 尾藤はいやな思い出を振り切らんとに首を振り、
「ですが、今回の件は内部粛清によるものではないのでしょう?
 それなら俺かあなたの耳にも一言くらい入っていてもいいハズです
 彼は夜半に一人でいたところをヤリチソどもの卑劣な奇襲によって殺されたと、聞きましたが」
「そう、まさにそこラギよ。おかしいとは思わないラギか。あの慎重な塗留くんが夜半に友もつけずに外で一体何をしていたのか?またなぜヤリチソは彼の居場所を知っていたのか?複数人におそわれたとはいえ、童貞連でも手練である彼がそう簡単にやられるものなのか?」

 尾藤に投げかけられた疑問形の嵐はしかし、その実どれも一つのある結論に収束していた。
 そして、その結論に達したとき、尾藤は塗留の死以上の衝撃に襲われた。
 その驚きが若い彼の顔に出てしまったようで、尾藤を見つめるラギの頬が奇妙な引きつりを見せる。
「・・・まさか。いや、しかし塗留さんが、そんなまさか−」
「だから、これからそれを話しあうラギよ、尾藤くん。この会議でね」

 そこへようやく局長・矢野犀五郎が奥の間に姿を見せたので、二人は自らの席へと戻った。
 会議の席上、塗留が隊長を務めていた四番隊の新しい隊長として四番隊副長・及火が選ばれた旨が手短に告げられた。

 そして、議題は塗留殺しそのものへと移る―
「・・・まさか。いや、しかし塗留さんが、そんなまさか−」
「だから、これからそれを話しあうラギよ、尾藤くん。この会議でね」

 そこへようやく局長・矢野犀五郎が奥の間に姿を見せたので、二人は自らの席へと戻った。
 会議の席上、塗留が隊長を務めていた四番隊の新しい隊長として四番隊副長・及火が選ばれた旨が手短に告げられた。

 そして、議題は塗留殺しそのものへと移る―


221 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2007/04/02(月) 02:19:53 ID:5PYqHHp2
フリガナきぼん

222 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2007/04/02(月) 02:29:23 ID:wupy8ap+
じぼれとかみほまちで十分だ

223 :童貞連血風録:2007/04/02(月) 17:55:27 ID:WJ6TN/2o

  幹部級の隊士たちがこのように一堂に会すのは何年ぶりだろうか。
 有木が死んだ夜以来だったか、あるいは「蒼」のふたつ名で呼ばれたヤリチソの巨魁を討った時以来だったか。
 いずれにせよ、彼らがこのように揃うのは敵味方問わず誰かが死んだ時と相場は決まっている。

 尾藤は居並ぶ一同を下座に控える五番隊隊長・天長 存弥(あまなが ぞんび)から順に視線を移していった。
 ―四番隊隊長の席はまだ空いたままだ―
 二番隊隊長・五場 久(ごば ひさし)、
 一番隊・虎木 天馬(とらぎ てんぱ)、
 相談役も兼る会計方総取締・辺母良堂(へぼらどう)、
 参謀・尾野 志保太夫(おの しぽだゆう)
 副長・波久礼 神子二郎(はぐれ みこじろう)、
 前局長で総長の恥樫 蔵部(はじかし くらぶ)
 そして局長・矢野 犀五郎(やの さいごろう)
 
 ―誰か一人、忘れているような気がする。
 そういえば、監察の本洲 義一(ぽんず ぎいち)だったか。
 いや、あれの上役がもう一人いたような・・・やはり気のせいだろうか。
 

 心に引っかかるものを覚えつつ、尾藤はもう一度局長の矢野に目をやった。

 やはり、というべきか。
 寝ている。
 
 とある不祥事の責任の取って局長職を退いた恥樫の後を継いだはいいものの、
 退いた後も恥の権勢は根強く、実質いまだに恥が局長だと連の内外から見なされている。

 家柄は良いが、生来の怠け性である矢野は居ても居なくてもさして影響はないという意味で「昼行灯」と連内で陰口を叩かれ、
 心無いものは恥の操り人形であるとすら評した。

 確かに局長に就任してからというもの、彼のやったことで特筆すべきは局長直属の親衛機関
「英々友」を立ち上げ、古参の一人である江口 武将(えぐち たけまさ)をその長に任じたことくらいで、
 その英々友もやはり厄介者の隔離所だの局長のオセロの相手だのなんだのと、連内での受けはあまり良くない。

 それでも―と、尾藤は思うのだ。
 家柄だけでこの血なまぐさい組織の中で生き残り、あまつさえ局長になれる、というのはそれだけで侮るべきことでない。
 ましてや、童貞連の歴史は内部粛清の歴史でもある。
 今幹部として生き残ってる連中は一癖も二癖もある剛の者ばかりで、
 ただ頷くばかりが能の昼行灯の座る席など空いてはいない。
 むしろ、家柄だけが良い無能者など恥が最も毛嫌いするところであり、
 真っ先に切り捨てられててもおかしくはないハズだ。

 しかし、現実には恥はどうも矢野を一目置いているところがある。
 彼を局長に指名したのが何よりの証拠だ。

 ―果たして、
 知らずのうちに自然と尾藤は恥の方を睨んでしまっていた。

 果たして、矢野はただの恥の傀儡であるのか。それとも―

「さて、諸君」恥樫が静かに口を開いた。

224 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2007/08/28(火) 00:09:43 ID:6R1Pj8Bk
拙い文だけど書いてみる。飼いネタを書くと言ったけど
かなり別物になりそうな悪寒

225 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2007/08/28(火) 00:10:14 ID:6R1Pj8Bk
僕は大学へ進学するに向けてあるアパートの一室を借りることにした。
そこは近くに駅、コンビニと立地条件も良く、日当たりも良い。
その上家賃が月3万と都心近くにしては破格の条件だ。

だが、そのような好条件には大概裏がある。
大家さんの話では僕の借りた部屋は「でる」らしい…
数日に一回夜中になると部屋の隅から子供のすすり泣く声が聞こえるとか聞こえないとか…
まあそれで、借りた人はみんなすぐに解約してしまい今に至る…と。

正直僕は幽霊なんか信じてないし、天下の大学生…なったばかりだけど、
とにかくお金は節約したい。こんな好条件を逃す手はないのだ。

大家さんは僕に契約内容の話をしているとき、こう懇願してきた。

「お願いだから一週間で解約しないでください…」

しないって。多分。

226 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2007/08/28(火) 00:10:36 ID:6R1Pj8Bk
とにかく契約完了しこのアパートから僕の新しい生活が始まった。
春休みの間に出来る限り身のまわりを調えておかないとと思ったが
前の人が結構家具を残してくれていたので一日の買い物で済んでしまった。
やっぱり前の人は「でる」部屋で使った家具なんて持って行きたくなかったんだな…

僕は仕送りをしてもらう予定なので、とくにバイトに就こうなんて予定はない。
本当に身のまわりの仕度が一日で終わってしまった。
とは言っても、流石にもう夕方、コンビニで買った弁当を食べて今日は早々に寝ることにした。

先程、幽霊なんか信じてないと豪語してたけどやっぱりあれは撤回する。
「でる」と言われる部屋で寝るのはやっぱり恐い。
一日、必要雑貨を買って回ったせいで疲れてはいるけどなかなか眠れない。
ふと目を開けて、天井を見つめた。別にシミとかがあるわけじゃない。
少し寝返りをうって辺りを見る。
僕の買った家具と前の人が使ってた家具が混じってちょっぴりカオスだ。

「…何か、あるわけじゃないよな、うん」

自分に言い聞かせるようにそう呟き、ミコネコ先生型時計のタイマーがかかっていることを確認してから
無理矢理寝てしまった。

227 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2007/08/28(火) 00:11:04 ID:6R1Pj8Bk

「いい加減起きなさい!起きなければ鞭で叩きますよ!」

特徴的なタイマーの怒鳴り声で僕は目を覚ました。
先生を黙らせる為に頭の尖ってる部分を押す。痛い。
ボーっとしながら部屋を眺めているとそこはいつもの僕の私室と違った。
当たり前だ。もうここで一人暮らしをしているんだから。

日の光が真横から差してくる中、僕は昨日のことを思い出した。

「結局何も起きなかったな。いや、それが当然なんだけどな」

そりゃそうだ。何か起きる方がおかしい。
きっと前に住んでた人は極度の恐がりだったんだろ。うん。
僕は自己暗示のせいもあってか、何となく気分も晴れた。

身支度も終わってとくにやることもない。
とりあえず、街の探索でもしてみるかと、僕は街に繰りだした―…‥‥

―その後次の日も、そしてその次の日も何も起きる様子はなく
僕の頭からこの部屋が「でる」ということはすっかり消え去っていた。
実際出なかったんだから。

…でも、部屋を借りてから一週間後。ようやく話が動き出した。

228 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2007/08/28(火) 00:11:20 ID:6R1Pj8Bk
ココマデ

229 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2007/08/28(火) 01:27:26 ID:QNy9OPVU
期待期待

230 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2007/10/17(水) 06:28:43 ID:Yoc+jIbg
フクロ小説スレにはエターなるの悪魔が住んでいます

231 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2007/10/18(木) 16:51:46 ID:Ml3CfJf+
>>230
そんな(;∀;)

232 :( ´∀)・∀),,゚Д)さん:2008/01/23(水) 17:35:39 ID:CeviGxl6
ついにALLエターナるか…
このスレは地獄だ…

129KB (08:00PM - 02:00AM の間一気に全部は読めません)
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0ch BBS 2007-01-24